1周年

右前十字靱帯再建手術から、ちょうど1年が経った。節目の診察を受けるためだけに、台風の大雨の中をクルマでひた走り、西宮に戻った。

診察の前に、理学療法士の先生による筋力測定。よくサッカー選手のリハビリ映像で出てくるBiodexというマシンを使って、右脚の筋力が回復しているかどうか、左右の筋力のバランスはどうかを調べる。

その前に、先生が走る様子を見たいというので廊下を走る。「軽やかで非常によろしい」との評価。

5分ほどバイクを漕いでウォーミングアップしてから、Biodexに体を固定する。ちょっとした拷問具のような大げさな機械だが、測定方法は簡単。椅子に体を固定し、片脚を可動アームに固定して、一定時間全力で脚を曲げ伸ばしする。

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測定は片脚ごとに2回行い、1回目は曲げ伸ばしの力を測定し、2回目は持久力を測定する。1回十秒ほどで終わるが、全力を出さなければならないのでかなり疲れた。

結果……屈曲力の筋力はほぼ左右均等だが、伸展力は左右で20%の差があった。また、両脚とも屈曲力が伸展力の半分を切っている。靱帯を守るためには、伸展力の50%以上の屈曲力が必要らしい。

つまり、今後は右脚の伸展力(伸ばす力)を高めつつ、両脚の屈曲力(曲げる力)を高めなければならない。

ちなみに、運動能力を表す「仕事量体重比」はランク11、女性アスリートレベルだった。体重が軽すぎるおかげ。ただ、疲労度の値はいまいちだった。スタミナがない。

先生からは、姿勢の悪さが脚の筋力バランスの悪さにつながっていると指摘された。

・座るときの正しい姿勢は、椅子に深く座り、軽く股を開く。股の間に壁をイメージして、そこに胸と顔面を押し当てるような感じ。

・その姿勢で「空気椅子」トレーニングを行う。左右に重心を揺らしながら、腿裏に負荷をかける。

・猫背を解消するためのストレッチ。壁の角に背中を預け、足を開く。あごを引き、背中と後頭部を壁の角に押し当てる。そのまま両腕を開き、手のひらが前を向くように腕をねじって、左右の壁に押しつける。

・腿裏(ハムストリングス)のストレッチ。立ったまま行う。右脚を伸ばす場合は、右脚の前に左脚をクロスさせて、足を揃える。左膝に両手を添えて、背を伸ばしておしりを突き出すようにして腿裏を伸ばす(痛気持ちいい程度に)。次に、背中を丸めて右手を右足のつま先に向かってのばす。それぞれ20秒ずつ。左脚も同様に。最後に両脚を揃えて膝の裏で両手を組み、腿裏を伸ばす。

 ・仕事環境も改善する(VDT症候群対策)。デスクに「肘置き」を取り付けて、正しい姿勢で作業できるようにする。肘置きの高さは、自然に肘を下げた位置から2cm上の位置にする。

短時間で色々なことを教えてくれた。頼りになる先生だ。

 

次に、スポーツ整形外科の診察。レントゲン写真では骨の損傷など見られず、きわめて良い状態だった。右膝のぐらつきも皆無。左膝よりもしっかりしているくらいだった。先生曰く「自分の作品として最高の仕上がりやと思うよ」。

しかし、現実として痛みがある。走った後、階段を上った後、右膝に違和感や痛みが生じる。

いろいろと話し合ったが、結局、右脚の筋力をもっと回復させないとダメという結論になった。「40代なんだから、若い子みたいにすぐには治らないよ。こんなもんだよ」と、言われてしまった。1年後の診察を予約して、終了。

 

翌日は、長野にとんぼ返り。そろそろ、ジムに通って本格的な筋トレしないといかんかな。

 

雨中キャンプ

秋のツーリングシーズンの前に、この連休にテストを兼ねてキャンプツーリングに出かける予定だった。しかし、2日前の時点で全日程が雨になる予報が出た時点で、やる気が80%なくなった。一緒に行く友人たち(彼らはオートキャンプ)がいたので、キャンプ自体は決行することに。ただし、2連泊を1泊に短縮し、バイクをあきらめてクルマで行くことにした。

キャンプ場は、上伊那の四徳温泉キャンプ場。朝、出発した時点でもう雨だった。移動中、お昼かけて警報レベルの大雨になった。現地に到着したときには多少弱まっていたが、普通にざあざあ降っていた。

テント設営後に雨に降られたり、濡れながら撤収したりしたことはあったが、本降りの雨の中でテントを張ったのは初めてだった。通常の手順で張るとインナーテントがびしょ濡れになってしまうので、まずミニタープを張ってから、その下でテントを設営した。いつもの2倍くらい面倒くさく、2倍の時間がかかり、なおかつずぶ濡れになった(もちろんカッパは着ていたが)。 

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シングルウォールテントや、フライとインナーが一体になったテントなら、もっと楽なんだろうな。欲しい…

夜になっても雨は止まなかった。でも、友達が大きなスクリーンタープを持ってきてくれたから、中で食卓を囲んで食事したり、談笑したりできた。しかし、楽しみにしていた焚き火は断念。

一人キャンプで雨に降られたら、テントに閉じこもって簡単な食事を作り、少しだけ本を読み、さっさと寝るというのがいつものパターン。でも、それも楽しい。根本的に、自分は1人遊びが好きらしい。

友達にお休みを告げて自分のテントに入った後、どうしても我慢できず、寝袋の中でマンガを読んだ。ぽつぽつとタープを叩く雨音を聞きながら。この孤独感がよい。ただ、明かりが暗いので目が疲れてしまう。次回はKindleを持ってくるか。

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翌朝は、小雨。設営時と逆の手順でテントを畳む。あらゆるものが水に濡れて、泥にまみれているが、クルマだと適当にまとめて乗っけておけばいいので楽だ。バイクの場合は、びしょ濡れのテントのパッキングにいつも苦労する。

当初は「千畳敷カール」に行く予定だったが、現地悪天候のため断念。代わりに、友達がネットで見つけた「赤そばの里」を見に行くことに。

民家が点在する田舎道の突き当たりに、森があった。泥だらけの駐車場にクルマを停めて、薄暗い山道を5分ほど歩くと、ぱっと視界が広がって一面の蕎麦畑が姿を現した。タイミングよく雨が上がり、一瞬、日が差した。

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白い花をつける普通の蕎麦とは違い、赤い花を付ける特別な品種が栽培されている。まだ咲き始めの時期なので、ちょっと花がまばらな感じだった。

 

間近で見ると、意外とかわいい花だった。蕎麦の花って、こんな形をしていたのかー。

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一面の花に誘われて、ハナアブがたくさん集まっていた。

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それにしても、初めて訪れた上伊那郡、とても良いところだった。ここに住んでもいいかな。

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東…京…

時間差日記。

9月10日、会社の移転を手伝うため東京へ。新幹線を降りたとたん、むわっとくる湿気。カラリとした信州の暑さとはまるで違い、戸惑った。すぐに汗だくに。人の多さや街の騒々しさにもうんざりした。あー、早く帰りたい……オレ、信州人になりかけているな。

会社から遠いホテルしか取れなかったので、地下鉄とJRを何度も乗り継いだ。そのたびに、長い階段を上り下り。クルマ移動が当たり前の田舎よりも、東京の人の方がよく歩くので健康的だという話を聞いたことがあるが、まったくその通りだ。翌日も美術館に行ったり、買い物に行ったりで、乗り継ぎエクササイズを存分に体感。翌日、脚が筋肉痛になった。

東京都美術館で開催されていた写真展「トーマス・ルフ展」。最初、コンセプチュアルな作品が多くて難しいなと思っていたが、後半にかけて感覚的・挑戦的な作品が増えてきて、とても惹き付けられた。写真を撮らなくても写真家であり、素晴らしい作品を生み出せるという驚き。

ミラーレスカメラを手放して1年近く経ち、そろそろ良いカメラを手に入れようと思っていた矢先に、この展覧会に出会えたのはよいタイミングだった。何を目的に、写真を撮るのか。そのために必要なカメラは何か。そもそも必要なのか。

その後、新宿西口の中古カメラ店に行ってみたが、ピンとくるカメラは見つからなかった。写欲を刺激してくれるカメラがない。疲れて電気街をうろつくうちに、予定外のモノを買ってしまった。まぁ、前から目を付けていた品ではあったが……

複雑な見た目に反して、びっくりするくらいシンプルな腕時計。

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湿原・古本茶店

友達を連れて、1か月ぶりに池の平湿原に行った。標高2000mの夏は、完全に終わっていた。湿原の花はめっきり少なくなり、あれほど元気に飛び交っていたマルハナバチも姿を消した。訪れる人の数もまばら。

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エゾリンドウは元気に咲いていた。このハチ、図鑑で調べても同定できず。昆虫は難しいね。

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マツムシソウジャノメチョウ。

 

下山し、温泉に行った後、海野宿に最近オープンしたブックカフェを見に行った。採算度外視で、趣味でやっているような感じのお店だった。書籍の趣味は良いし、落ち着く空間だった。

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でも、もうちょっとお客がいた方が入りやすいかな(^_^;)

『君の名は。』(ネタバレあり)

8月31日、台風一過の青空。夏の終わりの太陽が輝く中、自分は朝から部屋にこもり、PCを前にして仕事に追われていた。日が傾いて、涼しい風が吹き始めた頃、いいかげん疲れてきて、一休みしてTwitterを開いた。すると、夏休み最後の日というお題で、色々な人がツイートしていた。

タイムラインを追ううちに、このツイートが目に入った。SF作家の小川一水さんが『君の名は。』を見終えた後のツイート。

「今年はいい夏だった!」あー、なんて良い感想だろう!やっぱり『君の名は。』観たいな。今日行くか?行けるか?次回18:35から、間に合うか?いやもう、イチかバチか行ってみよう!

駅前で渋滞にはまったものの、裏道を飛ばして、無事10分前に映画館に到着。平日だし席は余裕だろうと思っていたが、存外、混んでいた。中学・高校生らしき若者が多い。いいね、この夏休み感(しかし、後でこの地域の夏休みがとっくに終わっていることを知った)。隣の席は制服の高校生カップルだった。

田舎の女の子と都会の男の子の心が入れ替わってしまうラブストーリーというと、ちょっと、ありがちなラブコメ話に思えてしまう。と、油断していたら、手の込んだ仕掛けが幾重にも詰まっていた。意外な展開に呆然としたり、思わず手に汗握ったり。出会えそうで出会えない二人の行く末を真剣に追っていくと、最後に、あのラストシーンになるのだった。

あくまでも直球のラブストーリーを追求しつつ、誰もが楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっている。このスタイルは、宮崎駿とも、細田守とも違う。説教臭さが全然ないのが素晴らしい。

あのラストシーン、どこか既視感があるなと考えていたら、ふと思い出した。村上春樹の短編小説『四月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて』。あの小説では、結局、少年と少女はすれ違ったまま永久に出会えない。それを「出会える」ようにする、「あの一言」を言えるようにするための大冒険を描いたのが、この映画なのだろう。

劇場を出るとき、ふとエントランスの上に貼られたポスターを見上げて、あっと声を出してしまった。これは、やられたね。

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サッカー熱

夕食後にタブレットTwitterを読んでいて、ふと、今夜はサッカーワールドカップ最終予選の初戦をやってることを思い出した。TVをつけてみると後半15分、1-2のビハインド。画面の左下に「初戦で負けた場合の勝率→0%」なんてテロップを出して煽っていたが、ほんとに負けてしまった。

個人的な印象だが、今回の予選は、サッカーファンの盛り上がりが全然感じられない。Twitterのタイムラインには、中継を見ている人が一人もいなかった。

自分自身も、盛り上がっていない。今のフル代表に魅力を感じられないからだ。メンバーこそ豪華だが、選手たちがみな自己中心的で、チームワークが希薄に思える。苦しい状況に陥ると、すぐにチームがばらばらになってしまう。観ていてつまらない。

個人的には、初戦負けたことで逆に面白くなる可能性を感じた。この絶望的敗戦によってチームメンバーの結束が高まり、奇跡的にチームが強くなる……みたいな。

まぁ、このままズルズルと最速敗退決定しても、そんなにショックを受けない自分を予想できるのだが。どうしてこうなったんだろうなぁ。

お盆を過ぎたら

8/22夜。クルマで家に帰る途中、対向車のライトの中にカゲロウの群れが浮かび上がった。川沿いなのでカゲロウは普段からよく目にするが、今夜はとくに多い。自宅の窓にも、明かりを求めて無数のカゲロウが張り付いていた。

それが、翌日の夜からぱったりと姿を消した。それに合わせるように、ベランダの物干し竿に毎朝巣をかけていたクモも見かけなくなった。そう言えば、セミの声も聞こえなくなっている。 

信州の秋は、お盆を過ぎたらすぐに来るのだな。

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お盆の初め頃からずっと軽い頭痛と吐き気に悩まされていたのだが、病院が盆休みなので診てもらうことができなかった。いつも、この時期に体調を崩している気が…

目の奥が痛かったので最初は眼科に行った。しかし、目に異常はなく、脳神経科の病院に行って検査を受けるように指示された。自分としてはそこまで大ごとにする気はなかったのだが、最近同じような症状で脳腫瘍が発覚した患者さんがいたらしく、先生(美しい女医さん)に「今週中に行くように」と釘を刺されてしまった。

仕事を調整して、2日後に脳神経病院へ。CTを撮影すると、果たして、脳にはまったく異常がなかった。異常があったのは、鼻の奥だった。原因は副鼻腔炎だった。副鼻腔にたまった「うみ」が、CT画像にはっきり写っていた。

一週間分の抗菌剤を処方してもらい、帰った。

考えてみると、これまでの原因不明の体調不良もこれのせいだったかもしれない。もっとも、数え切れないほど耳鼻科に通ってきて、一度も「副鼻腔炎」と診断されたことはないが…。診断が難しいのだろうか。

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先週末、バイクでふらっと行った菅平牧場。この後、ソフトクリームを食べていたら雨に降られた。

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