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鈴木一朗君へ

世間

今日は、ネットのテキスト実況を見ながら仕事していた。

昼休みに外に出ると、そこかしこで話が聞こえてくる......

「1-1だって!」
「えー、追加点取れなかったの?」

午後は珍しく会議があり、長引いた。デスクに戻って実況ページを開くと、延長に入っていた。

さすがに気になる。

仕事を進めつつ、ブラウザのページをリロードしまくっていると、10回表にチャンスが。代打・川崎が内野フライに倒れてがっくりしたが、次はイチローじゃないか。延長10回2アウトの絶好機に打席が回ってくる。さすが、生まれついてのヒーローだ......。

震災の年、イチローは「がんばろう神戸」のスローガンとともに大活躍してオリックス優勝に貢献した。このときから、イチローが好きになった。野球選手として天才的なセンスを持ちながら、自己表現が苦手で、苦しみも喜びも無表情に押し殺す彼の姿に、なにか親近感を覚えた。同世代だし(1つ下)。

翌年にオリックスが二連覇を達成したとき、グリーンスタジアムで放った優勝決定サヨナラツーベースは、今でもはっきり覚えている(生田神社のパブリックビューイングに参加していた)。珍しく、イチローは二塁ベースの上で喜び、飛び跳ねていた。

若いときと比べると、だいぶ丸くなったけど、相変わらず言動は不器用で、誤解を呼ぶことが多い。今回のWBCでは、不振にかかわらず強気の発言を繰り返して、世間からの風当たりが強くなっていたように思う。かなりのストレスを受けているのが感じられて、ちょっと心配していた。

ここで打てば、正真正銘のヒーロー。打てなければ、戦犯扱い。どうなるんだろうか。不安を覚えつつ、仕事続行。しばらくして、リロードすると......タイムリー打ってる!

絶好の舞台に立つ強運と、その運を生かす勝負強さ。「持ってる」なぁ。

帰ってから、ニュースでダイジェストを見た。試合後のインタビューで、今までの苦しみを率直に告白していたのには、意外な感じがした。彼も、大人になったなぁ。シャンパンファイトではしゃぎまわるイチローの姿を見ていると、自分まで背中の重荷が下りたような、ホッとした気分になった。

とりあえず、お疲れさま。