村上春樹的・春の散歩

4月4日、晴れのち曇り。

mixi村上春樹関連コミュニティのオフ会に参加した。このオフ会の趣旨は、春樹さんが青春時代を過ごした三鷹を散歩しながら、村上春樹的な場所を巡り、ついでに桜も愛でようというもの。

全員と初対面のオフ会は久しぶりだったので、集合するときはどきどきした。この、期待と不安が入り交じった感覚。新鮮だ。

集まったのは、9人。風貌も年齢も様々な、ちょっと個性的な面々。共通点は、全員が「ハルキスト」であること......

まずは「風の散歩道(玉川上水)」を散策し、近くのカフェで昼食。地下にある店だけど、ドライエリアと大きな窓のおかげで明るい。静かな音楽を聴きながら、ゆっくり食事。

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食後、向かったのは山本有三記念館。昭和初期に建てられた古い洋館が、元の住人の記念館として保存されている。この会の趣旨としては、この洋館を「甲村記念図書館」に見立てて、カフカくんになりきるのが目的。

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春の日差しの中、古い庭園から洋館を眺めていると、ほんとうに穏やかな気持ちになった。



次は、井の頭自然文化園へ。こんなところに動物園があるとは知らなかった。残念ながら、カンガルーはいなかった。まさに絶好のカンガルー日和だったのに。

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代わりに、象がいた。消失するには、やや大きすぎる象だった。

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回転木馬を横目で見ながら、「北村西望アトリエ」へ。この会の趣旨としては「カフカ父のアトリエ」。どどん、と大きなブロンズ像があちこちに聳立している。日が暮れかけて薄暗かったせいもあって、異界的な雰囲気だった。



やがて閉園時間となったので、自然文化園を出て、となりの井の頭公園へ。お花見シーズンまっただ中とあって、すさまじい人ごみだった。満開の桜の下、狂乱の宴があちこちで繰り広げられていた。



ブルーシートの波の中、池のほとりに空いているベンチがあったので、売店で缶ビールを買って、ささやかな花見をする。落ち着いて花を見られる感じではなかったけど、なかなか楽しかった。



喧噪の井の頭公園を後にして、吉祥寺市街へ。古いジャズバーにて二次会。バーなのに食事がおいしく、いい店だった。思う存分、村上春樹的会話を楽しむ。



なにしろ全員がハルキストなので、話が早い。「緑のお姉さんの話が」とか「島本さんが一番好きだなぁ」とか、作中の登場人物の名前が普通に出てくる。皆さんの方が読み込み度が深く、話についていけないこともしばしば。また、読み返さないとなぁ。



この夏に出版される予定の新作長編『1Q84』も話題になった。かなりの大長編になるらしい。楽しみだ。ある人は、発売日に有休を取ると宣言していた。春樹ファンにとっては、超重大なイベントなのだ。



その後、クラシックの流れる喫茶店にてお茶を飲み、解散。主催のNさん、周到な段取りありがとうございました〜!