『アバター』

1月2日。阪急西宮ガーデンズの映画館にて、『アバター』を観た。上映の3時間前に席をとったが、すでに半分以上埋まっていた。人気あるんだなぁ。

3D映画としての完成度はすばらしい。普通に映画として楽しめるレベルに到達している。エンタテイメント映画としても、アクションあり、ハラハラドキドキあり、ロマンスありで、よくできていると思う。

しかし......あまりにも「アメリカ人らしい」脚本に、終始違和感があった。何も知らないアメリカ人が異文化に放り込まれ、失敗を重ねつつ学習し、信頼を勝ち取り、ついには尊敬されるに至る......ハリウッド映画にありがちなストーリー。それは、別にかまわない。実際にそういうエピソードがあったとしたら、素晴らしいことだろう。でも、どうしても、そこに征服者と被征服者という図式を見てしまう。そして、我々は被征服者の側なのだ。

最終的に、主人公は原住民を率いて、環境破壊をもくろむ人間たちと対決する。人間軍を率いるのは、アメリカ海兵隊の叩き上げ軍人。悪い奴である。つまり、結局は、良いアメリカ人と悪いアメリカ人の戦い。

この映画のテーマは、異文化の尊重や、自然との共生だろうと思うけど、こういう「アメリカ中心主義」が鼻につきすぎて素直に受け入れられなかった。あまりにも、視点が偏りすぎている。そもそも、人類代表として「アメリカ人」だけが出てくるのはいかがなものかと......

ハリウッド映画に普遍的な視点を求めるのは、無理なのだろうか。