妖怪と僧

久しぶりに、ジムのプールへ。

寒いからか、プールはすいていた。超久しぶりにクロールで泳いでみたが、すぐ腕が疲れて、腕が上がらなくなってしまった。なぜか上腕三頭筋あたりが疲れてしまう。泳ぐ前に筋トレしたからか?

平泳ぎなら長く泳げるのだけど、膝に悪いのでダメなのだ。適当に歩いたりジャグジー入ったりした後、風呂へ。

体を洗った後、サウナに入る。狭いサウナはあいかわらず混み合っていた。床にびっちゃり汗が溜まっていて、やれやれと思いつつ腰掛けた。そして顔を上げたとき、異様な光景が目に飛び込んできた。

上段の席に座った爺さんの様子がおかしい。何がおかしいかというと、タオルを頭にのせて、顔の前にびろーんと垂らしているのだ。キョンシーかと思った。そして、ハッ、ハッ、ハッと、小刻みに呼吸している。その息づかいに合わせて、タオルが揺れる。でっぷりした腹が小刻みに揺れる。

一瞬、救急車を呼んだ方がいいのかと思ったが、どうやらそういう危険な状態ではなさそうだった。しかし......変だ。爺さんの下の段に座っていた男性は、気になるらしく(当然だ)、なんども振り返って爺さんをガン見していた。

何人かサウナを出てき、空席ができた。その男性は少し場所を移動して、爺さんから離れた。うん、そうした方がいい。

と、今度はその男性が妙な行動を始めた。ベンチの上で足を組み、座禅を始めたのだ。素っ裸、汗だくの座禅。目を閉じて、集中している。爺さんはあいかわらず、タオルの向こうで荒い息づかい。

うーん、何だろうこれは。