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三本滝

週末、乗鞍高原に連れて行ってもらった。

松本から狭い谷筋をさかのぼり、きれいなダム湖をいくつも越えると、森と湿原の広がる高原に出る。この日も晴天で、おそろしく暑い日だったが、さすがに空気が違う。風が爽やか。連日の酷暑で疲れた体と心が癒される感じ。

同じ道を乗鞍の山に向かってさらに登る(もちろん車で)。スキー場のロッジの駐車場に車を停めた。ここまで登ると、さらに一段階、風が涼しくなる。日陰でTシャツだと肌寒いほど。

ロッジの脇から登山道に入る。登山道の入口に「熊出没注意」の張り紙が出ていて、やや不安になる。一緒に犬がいたけど、こいつもビビリんだし……。自然が豊かな証だが、怖いものは怖い。

登山道はすこし荒れていたが、あまり高低差はなく、散歩気分で歩けた。深い森の中で、野鳥の声が聞こえる。ときおり沢が流れていて、なかなか楽しい。

20分ばかり歩くと、滝の音が聞こえてきた。きれいな水がざあざあと流れる沢を吊り橋で渡り、大きな岩がころがる小道をしばらく行くと、目的の「三本滝」が突然目の前に現れた。

大きな窪地を囲むように、大小三本の滝が流れ落ちている。滝壺の脇の岩の上に立つと、三つの滝を一望できる。滝の白い水流と、黒い岩肌と、深い緑とが一体となって、素晴らしい景観を作っている。

かつては山岳信仰のある種の聖地だったらしいが、当然だろう。岩の上に結跏趺坐して瞑想したくなるくらい、自然を感じる場所だった。

乗鞍は、ただ眺めがいいだけでなく、水の豊かさに驚かされた。これほど厳しい夏なのに、たくさんの沢で、飲めそうなくらいきれいな水が勢いよく流れている。雨が降りやすい気候なのだろうか。ともかく、素晴らしい土地だ。

……移住したいなぁ。冬はつらいかな。

Norikura