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古本

読書会の課題図書を探そうと、下北沢の新古書店に行った。

最近店舗が移動したらしく、元の5倍くらいの広さになっていた。他の新古書店と同じく、メインは漫画だったが、文芸書も充実していて、わりとマニアックな本も並んでいた。

目的の本は見つからなかったが、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の古い単行本を見つけた。昔、姉の書棚から借りて読んだ、懐かしい本だ。手に取ってみると、しっとりとした布装丁がいい感じ。このさい買ってしまうか。

しかし、状態が良くなかった。外箱には汚れが目立つし、中の本もコーヒーか何かの染みがついている。そのぶん、値段は安くなっているのだが。迷った末、棚に戻した。

しばらく書棚を眺めていると、学生風の男子がさっさと歩いてきて、オレが戻したばかりの本を手に取った。「あったよ」と言いながら、その本を後にいた連れに渡した。彼は早速箱から本を取り出して、ちょっと興奮した様子でページをめくっていた。まだ幼さの残る、素朴な感じの男の子だった。

きっと、「適切な」持ち主に渡ったのだと思う。