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素晴らしきこの世界

クーリエ・ジャポン」6月号。「原子力」特集が読みたくて、買ってみた。

どの記事も客観的事実を中心に、感情論を廃して書かれている。原子力否定派・推進派の双方、さまざまな立場の人の発言が取り上げられているが、この特集で一番インパクトがあったのは、事故から25年を経たチェルノブイリのレポートだった。

広大な立ち入り禁止区域では、人間と共生していたネズミなどの生物が姿を消す一方、オオカミや大型のシカが急増して、野生の生態系が復活している。しかし、その動物たちは一見正常に見えても、大量の放射性物質が体内に蓄積されていて、遺伝子異常が顕著になっているらしい。世代を重ねるうち、進化によって新種が発生するのも時間の問題と……

また、原子炉近くの水路には、体長3メートルのナマズがうじゃうじゃ泳いでいるらしい。

なんか、60年代のSF作家の妄想が現実化したような世界になってきたな。それに、この立ち入り禁止区域は「ゾーン」と呼ばれているって、ストルガツキーの『ストーカー』そのまんまじゃないか。

この特集の後には、政変の渦中にあるリビアからの報告が掲載されている。カダフィ大佐による独裁の狂気と、勇気を持って立ち上がった民衆の熱狂と。

ものすごい世界に生きているんだなぁと感じる。