長野ツーリング(4/21〜22)

早朝、窓のブラインドを上げると、辺り一面の雪景色。しかもまだ雪が降っている。バイクはすっかり雪に埋まっていた。道路にも5cmくらいの積雪。これでは帰れない。

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雪が止まないまま、チェックアウトの時間に。部屋を出て温泉に移動。昼には晴れる予報だったので、雪が溶けるまで待つことになった。

とりあえず温泉へ。露天風呂にて、粉雪が降りしきる雪景色を眺める。木々が新芽で青々としているところに雪が積もっているので、普通の雪景色ではない、不思議な感じ。

サウナから出てきたおじさんが露天風呂の外であぐらをかいて、体を冷やしつつ、持参の漫画を読み始めた。何を読んでるんだろうと横目で見たら、「流れ星 銀」だった。一瞬、雪に合わせたチョイスか?と思ったが多分違うだろう。

風呂上がり後、畳敷きの休憩所でまったり時間を潰す。お昼になっても小雪がぱらついていたが、地面の雪はだいぶ柔らかくなっていた。今がチャンスと、出発することに。

駐車場に戻ると、積雪が溶け始めてシャーベット状になっていた。バイクに積もっていた雪も落ちている。エンジンをかけ、慎重に雪の上を走る。温泉の外の公道は除雪してあったので、雪上走行は50mほどで済んだ。

道を下るにつれ、路上の雪が少なくなってきた。そのうち雪も止み、日射しが出てきた。山の上に閉じ込められていた状況がバカらしくなるくらいの、良い天気。高速に乗ると、路面がもう乾き始めていた。

せっかくここまで来たので、小布施に立ち寄ることに。この街随一のオシャレスポットである、酒蔵をリノベーションしたレストラン「蔵部」へ。この悪天候のせいか、昼時にもかかわらず待たずに入れた。わさび丼を頂く。わさびをご飯に載っけて食べるという斬新な丼、しかし意外な旨さ。新鮮なわさび漬けでご飯を食べているような感覚。魚のあらで出汁を取った味噌汁も美味しかった。

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そのあと、同じ系列のカフェ「ENTOTU」でお茶。ここも古い日本建築をリノベーションしたもの。古びた外観とモダンな内装のギャップが面白かった。

公園で犬たちをすこし遊ばせたあと、帰途に。高速道路が長い直線に入って視界が開けたとき、明暗渦巻く雲の下、雪をかぶった山々がくっきりと浮かび上がり、その景観の爽快さに思わず叫んだ。

1時間ほどかかって、上田の友人宅に。このとき、ちょっとした異変に見舞われていた。左手の手首が痛くなり、クラッチを握るのが苦痛になっていた。腱鞘炎になってしまったのだ。

その要因は、新しくハンドルに取り付けたブッシュガードだった。以前はブッシュガードがない状態でハンドルカバーを付けていたのだけど、新たに取り付けたブッシュガードにかぶせる形でハンドルカバーを付けた結果、手を入れる角度が変わった。右手の方はさほど影響なかったものの、なぜか左側のハンドルカバーの位置がずれて、左手首をやや不自然に曲げた形でグリップを握る感じになった。それで一日中クラッチを握ったり放したりしていたら、腱鞘炎になってしまった。

まぁ一時的なものだろうと自分に言い聞かせていたのだけど、その夜、猛烈に痛くなってきた。夕食後に行った温泉の熱で炎症が悪化したらしい。手首をちょっと動かすだけで痛い。寝床に入っても、あまりに痛すぎて眠れない。水道で手首を冷やすと少しましになり、ようやく眠れた。これで朝になってもこの状態だったら、バイクを置いて新幹線で帰ろう……

翌朝、快晴。手首の痛みはだいぶ和らいでいた。安心したが、まだ指を握ると手首に痛みが走る状態。東京までバイクを運転できるか、少々不安だった。

とりあえずバイクを置いて、友人の車で観光に連れて行ってもらう。余里という集落で、切り花用に育てられている桃花が、この時期に一斉に開花するということで、名物になっているのだそうだ。

谷間の集落の狭い道を抜け、川沿いに登っていくと、だんだんと積雪が目立ってきた。広い畑が一面に雪をかぶっている。ちょっと標高が上がるだけで気候が変わるんだな。

そして期待した桃の花は、ようやく五分咲きという感じだった。このところの低温で開花が遅れているらしい。それでも場所によっては、遠くから見てもうっすらと紅色に見えるくらい咲きそろっていた。

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ピンク色の花と白い雪のコントラストが面白くて、しばらく写真を撮った。

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誰もいない川っぷちで犬を遊ばせたあと、食事に連れて行ってもらう。上田の「ビストロ・ピノキオ」という店。家族経営のこぢんまりしたレストランだが、手打ちパスタから天丼までカバーする豊富なメニューと、上田の人たちも満足する大ボリュームが特徴。ハンバーグを注文してみたら、予想より1.5倍くらい大きいカタマリが運ばれてきた。めっちゃ美味しいのだけど……

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日が暮れる前に帰りたかったので、2時頃、早々に出発することにした。

やはりクラッチレバーを握ると痛いので、手をレバーに引っかけて、腕全体で引っ張るように操作してみた。無茶苦茶だが、急な操作でなければなんとか行けそうだ。平日と言うこともあって高速道路はガラガラ、ほぼクラッチを操作することなく走行できた。

好天だったが碓氷峠は寒く、体を温めようと横川SAに立ち寄った。コーヒーが飲みたかったので、スターバックスに。そう言えばここを含めて、SAのスターバックスって独立した建物になっている場合が多いけど、特別扱いされているのだろうか。うるさい土産物店から隔離されている方が落ち着けるのは確かだけど。

コーヒーを注文すると、店員の兄ちゃんが話しかけてきた。服装から、こちらがライダーとわかったらしい。自分も自転車に乗っているらしく、親近感を持ったのだろう。雪の中を走った話をしたら、笑っていた。

外のテラス席で、ぼこぼこした妙義山を眺めながらコーヒーを飲んだ。

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そのあとはトイレ休憩を挟みながら、一気に走った。高速を下りてからも渋滞がほぼなかったのは助かった。総走行距離は、571kmだった。