福島ツーリング(2)

10月13日朝、6時前に目が覚めた。気温は5℃くらい。スリーシーズン用シュラフでは寒く、フリースとダウンジャケットを着込んで、ようやく安眠できた。

バンガローの外に出ると朝日が見えたが、すぐに雲に隠れてしまった。冷たい風とともに、ぱらぱらと小雨。吾妻山を見上げても、雲しか見えない。

この旅の目的のひとつである磐梯吾妻スカイラインは、この山の向こうにある。今日、朝一番で走る予定だったが、この天候では雲の中だ。

このキャンプ場にテントを張って拠点とすることも考えたが、同じ場所にずっと居るのもつまらない。それに、このキャンプ場がとくに気に入ったわけでもない。ボートで釣りに来ている人が多く、落ち着かないのだ。とりあえず、撤収してしまうことにした。

朝飯も食べて、9時前には準備ができた。天気はあいかわらず曇り時々小雨。考えがまとまらないまま走り出す。

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しばらく走ってから、「五色沼」の案内表示に気付いた。そうだ、ここがあった。ここに行かなきゃ、何のために檜原湖に滞在しているのかわからない。

裏磐梯ビジターセンターの駐車場にバイクを停める。隣にキャンプ道具満載の練馬ナンバーのCBRが停めてあり、しばらくして持ち主が戻ってきたので、少し話をした。昨夜は雨と寒さに負けてキャンプを諦め、宿に泊まったらしい。そういう人が多いんだろうなぁ。

ビジターセンターの案内板を見ると、森の中に点在する沼をつないで自然観察道があるようだった。一番近い沼まで10分ちょいで行けそうだ。相変わらず雨がぱらついていたので、カッパを着て行くことに。

一番手前の毘沙門沼は観光客で賑わっていた。しかし天気が悪いせいか、あまり「色」が見えない。よく見たら青緑かな、という程度。ちょっと悔しいので、奥の沼に行ってみることにした。

観察道は舗装されておらず、雨でぬかるんでいた。意外とアップダウンもあり、ちょっとした山歩きだ。体が温まってくると、暑くなってきた。真冬用の防寒着の上にカッパを着ていたから大変だった。着ているものをどんどん脱いで、カバンに突っ込む羽目になった。大きめのカバンを持っていって良かった。

歩いているうちに、木漏れ日が射してきた。雨に濡れた木々が光って、美しい。

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沼にも日が差して、明るい色になってきた。沼ごとの色の違いはよくわからなかったが、弁天沼が一番明るく、鮮やかに見えた。でも写真にはうまく写らない。肉眼だと本当にパステルグリーンに見える。

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重い荷物で疲れてしまったので、途中の瑠璃沼で引き返した。出発地点の駐車場に帰り着いたときには、1時間半も経っていた。10分のはずが……えらい長引いてしまった。空はすっかり晴れて、ツーリング日和。

しかし時間はもうお昼。磐梯吾妻スカイラインは渋滞しているに違いない。現に、このビジターセンターのだだっ広い駐車場も、観光客の車で一杯になっている。渋滞は避けたいが、明日行けるかどうかはわからない。まぁ何とかなるだろう。とりあえず走り出した。


つづく。