清流にて
19日の続き。
寄り道しすぎたので、湖畔カフェを出た後は彦根までまっすぐ走り、すぐに高速に乗って叔母の家へ。途中、名神高速道路の大垣あたりでゲリラ豪雨に襲われて大変だった。
叔母の家は岐阜県郡上市にある。この休みには従兄弟たちも集まっていた。会うのは十数年ぶり、お互いの劣化ぶりを笑う…
20日は、近くの有名な滝に連れて行ってもらった。不安定な天気で、ときどき天気雨が降ってきた。
21日、朝9時に出発。従兄弟にルートを訊いて、帰りは途中まで下道で帰ることにしていた。まずは、「やまびこロード」を走る。緑鮮やかな眺め、高原の涼しい空気の中を走るのは心地よい。
R156に入り、長良川を眺めながら南下。川にはたくさんの鮎釣り師が並んでいて、長い竿がぴかぴかと光って見えた。郡上八幡を通過して、R256へ右折。山が深くなる。長くまっすぐなトンネルを抜けた後、板取川という清流を沿って走る。
緑多い山あいの道。交通量少なく、のんびり走りに好適だった。マップルには「川魚料理を出す店がならぶ」とあったとおり、道沿いにときおり「鮎」の幟を立てた店を見かけた。一軒、よさげな店があったので、バイクを停めてみた。料亭風の渋い平屋、店先にはちょっとした庭がしつらえてあり、やや敷居が高い感じ。駐車場は車でいっぱいだった。
古びた格子戸を開けると、焼き魚の良い匂い。ねじり鉢巻きのおっちゃんが炭火で魚を焼いていた。座敷はお客さんでぎっしり、土間には席待ちをしているお客さんの行列……10人以上待っていた。
一瞬で諦めて店を出た。よほど評判の店なんだろうな。
川岸にはキャンプ場がいくつかあり、たくさんの子どもたち(および大人たち)が清流で泳ぎ、遊び、バーベキューを楽しんでいた。道沿いに駐めてある車は、名古屋ナンバーが多かった。名古屋方面ではメジャーなレジャースポットなのだろうか。
もういいかげん魚食いたいなと思い始めた頃、「鮎の里」なる店を発見。キャンプ場に併設されたプレハブ小屋で、「海の家」的な雰囲気。「川の家」というべきか。キャンプ場にバイクを駐めて店に入ると、クーラーが効いていて、意外と快適な空間だった。
とにかく鮎!ということで、生鮎のセットを注文。鮎2匹、鮎雑炊、小鉢という一番安いセットで、2000円だった。値段はこんなもんだろうか。
各テーブルに魚焼きコンロが乗っていて、これで魚を焼くという趣向だろうと予想していたが、運ばれてきた鮎を見て驚いた。口にぶっとい串を刺し込まれた状態で、ビクンビクンと動いていたのだ。
塩を振りかけるとビクッ!と反応し、コンロに乗せるとまたビクビクッ!と動く。別に、ここまで新鮮じゃなくても良かったんだけどなぁ……
ほどよく焼いた鮎は身が柔らかく、美味だった。鮎雑炊も薄味で上品な味。
会計のとき、自分が遠くから来ていると知った店のおっちゃんが、冷えたミネラルウォーターをくれた。テーブルのおばちゃんたちも親切だったし、良い店だった。
ところで、鮎の肝は食べるべきものなのだろうか。ちょっと生っぽかったけど思い切って食べてみたら、ものすごく苦くて渋くて、口が曲がった。鮎は丸ごと食べるべしと言われたことがあるが、肝も食べなきゃいけないのか?
あまりに苦かったので、次に寄った道の駅で口直しにソフトクリームを食べてしまった。
さらにR256を南下して、岐阜市に入った。山を下りて市街に入ると、急に暑くなった。路面温度計が37度とか。これは修行だと割り切って、灼熱地獄のような街中を淡々と走る。岐阜環状線を通って、県道53号に。これは岐阜と関ヶ原をつなぐ一本道なのだ。しかし、特に面白みはなく、ただひたすらに暑かった。