ハイキングと登山

ここ数年、右膝のケガに悩まされてきた。日常生活に支障はなくても、長時間の歩行ができなかった。去年の後半あたりから、ようやく長く歩けるようになり、ちょくちょく山に登るようになった。

子供の頃からハイキングにはよく連れて行かれたので、自然の中を歩くのは好きである。健康維持のための運動として、これから続けていきたいと思っている。

しかし、本格的な「登山」に挑もうとしたことは一度もない。小学校のとき、親に入れさせられたカブスカウトボーイスカウトの弟分)の最初のキャンプで、重さ15kgの荷物を背負って10km歩かされた。それ以来、重い荷物を背負うのがイヤになった。今でも最小限の荷物でハイキングしている。

 でも、カブがきっかけでキャンプが好きになった。バイクツーリングでも、なるべくキャンプ泊を選ぶ。一人で宿に泊まってもつまらない。キャンプなら一人で色々遊べる。

しかし、最近はキャンプ場でのキャンプがつまらなくなってきた。アウトドアブームのせいで、きれいなキャンプ場ばかりになってきた。探せば野趣感のあるキャンプ場もあるのだが、そこでも何か物足りなさを感じる。

思い出すのは、カブスカウトのときのキャンプだ。当時はキャンプ場など使わず、山の中の開けた場所や河原にテントを設営していた。石を積んでカマドを作り、山から拾ってきた焚き木を燃やし、飯ごうで飯を炊いていた。雨に濡れるし、メシはまずいし、まったく快適ではなかったが、圧倒的な自由感があった。

最近、山の中でキャンプの一夜を過ごすために「登山」してもいいかなと思い始めている。

そんな流れで、こんな本を買った。 

 

高みへ 大人の山岳部   登山とクライミングの知識と実践

高みへ 大人の山岳部 登山とクライミングの知識と実践

 

 

ハイキングの歩き方から、登山計画の立案手順、基本的なクライミング技術、雪山登山の基礎知識、自力救助の方法まで、豊富なイラストで解説されている。正直、この中の知識を自分で実地に生かす機会はほとんどないだろうけど、登攀用具の解説とか、イラストを見ているだけで楽しい。ギア好きの皆さんにお勧めしたい。

 気になったのは、「登山チーム」の項だった。筆者は、近年1人で山に入る登山者が増えていることを憂慮していた。登山とはチームで取り組むものであり、「安易な1人登山は遭難予備軍でしかない」と断じている。

いや、それは確かにそうだけど。大人になってから登山に興味を持った人がチームに入る(または作る)というのは、ハードルが高い。素人が集まってもしょうがないから、少なくとも経験豊かなリーダーが必要だが、そんな面倒な役割を引き受けてくれる人など滅多にいない。

現実的には、個人で登山ガイドを雇うという選択になるんだろう。でも、まだ日本では一般的ではない気がする。それに、泊まりの登山となると数万円の費用がかかる。荷物を持ってもらえるのはメリットだが…。

 山登り系ブログを見ても、1人で登っている人は多い。数年前に更新が止まっているブログがあると、「この人、大丈夫かなぁ」と思う。

しばらくは、低い山を登って練習しておこう。六甲山でもバカにはできない…。