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縞枯山

6/20、土曜日。

6時起床。ビジネスホテルに泊まるとよく眠れるのはなぜだろう。窓を開けると、夏らしい青空。天気予報の通りだ。予報によれば、少なくとも昼までは天気が持つとのこと。

ホテル1階で、セルフサービスの朝食。周りを見ると、山登りの格好をした人がちらほら目に付いた。全員が1人旅の女性だった。昨日バスで見かけたのも、2人連れの「山ガール」だった。山男はおらんのか。

ホテルをチェックアウトし、松本駅から普通列車甲府行きに乗る。3両編成だが、土曜日の朝ということで乗客はまばらだった。ぼけーっと電車に揺られていると、途中駅に停まるたびに、地元の中高生が三々五々乗り込んできた。たぶん部活に行くのだろう。停車した駅で友達が乗ってきて「おはよー!」と挨拶したり、キャッキャと騒いだりして、楽しそうだった。電車で友達と落ち合って学校に行くという経験がないので、羨ましかった。

8時半頃、茅野駅に到着。東京の友達はまだ到着していないので、先にレンタカーの手続きをする。用意されていた車は、ピカピカのFIT。レンタカー屋のおっちゃんは、まだ1000kmも走ってないから新車みたいなもんですと言っていた。

迷いそうなのでiPhoneのナビを使うつもりだったが、しっかりカーナビが装備されていた。今時は当たり前か。レンタカーに乗るのは10年くらい前の沖縄旅行以来だが、そのとき借りた軽自動車にはカセットデッキしか付いてなかった。

やがて、あずさ号で友達2人が到着。カーナビに目的地を入力して、出発した。青い空、白い雲、緑の田んぼ。最高のドライブ日和かもしれない。夏至近くの太陽の光は強烈で、サングラスがないと道路を正視できない。窓から差し込む日差しですぐに腕が焼けそうだった。

車で向かう先は、麦草ヒュッテ。茅野駅から車で小一時間、そこを拠点にハイキングに向かうという段取りだった。

20分後、カーナビが「目的地周辺です」と喋り始めた。ナビ画面の矢印は、国道の脇にある狭い路地を指している。近すぎるし、こんなところにあるはずがない。

iPhoneのナビに事前に登録してきた地点をみると、ずっと先だった。カーナビがアホなのだと結論して、再出発。

ぐねぐねと続くワインディングロードをひたすら登っていると、空気がひんやり冷たくなってきた。長い登り道が終わり、麦草峠に到着。標高2120m。

ここで、今日のルートを決めなければならない。茶臼山〜縞枯山をしっかり登るルートか、白駒池をのんびりお散歩するルートか。自分の膝の調子が悪いことを知っていた友達はお散歩ルートを勧めてくれたが、自分としては、せっかくここまで来たのだから登りたかった。迷った末、縞枯山を登ることにした。

余計な荷物を車に置いて、出発。天気は曇りときどき晴れ、気温は22度くらい。肌寒いのでウィンドブレーカーを着た。膝をかばうために最初からトレッキングポールを使う。

 登山道を進み始めると、すぐに苔むした深い森に入った。屋久島ならともかく、本州ではなかなか見られない風景だと思う。森のいい匂いがした。 

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しばらくすると、案の定、右膝に違和感が出てきた。このルートを選んだことを早くも後悔しつつ、黙々と登る。

ややきつめの登りを経て、茶臼山に登頂。山頂は森に囲まれて眺望がないので、近くの展望スポットへ。空は雲で覆われていたものの、なかなかの眺めを楽しめた。冷たい風が吹き付けて、汗だくの体が一気に冷える。爽快な気分。

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茶臼山を下り、縞枯山に向かう。途中の展望スポットで、また写真撮影。 

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縞模様に枯れているから縞枯山…という基本的な情報を知ったのは、現地に来てからだった。遠くから見ると、確かに横一線に枯れているのが見える。近付くとよくわからない。登山道の周囲の木々が枯れているところがあったが、縞模様に関係あるのかどうか。

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まもなく、縞枯山に登頂。が、山頂が平らで周りも木々に囲まれていて、展望スポットもなく、よくわからなかった。拍子抜けした気分で、先に進む。

縞枯山山頂から雨池峠に下る道が、すさまじい急坂だった。しかも雨でぬかるんでいて足場も悪い。滑り台のごとくまっすぐ続いているので、足を踏み外したらどこまでも転がっていきそうだった。ここを登るルートを選ばなくてよかった。この登りは地獄だ。

雨池峠は森が開けて、広場のようになっていた。ここで昼食をとることになった。

友達が持ってきたガスコンロで湯を沸かし、インスタント味噌汁をこしらえた。松本駅前のコンビニで買ってきたおにぎりをかじる。

食後にコーヒーを淹れる計画だったのだけど、雨が降りそうなので中止。下山を急ぐことになった。近くの縞枯山荘でトイレを借りた。バイオトイレ使用料、300円。 f:id:charlie22:20150620132400j:plain

 

こういう山小屋に泊まったら楽しいんだろうね。

ぽつぽつと降り始めたので、カッパを着用。

雨池峠から雨池に向けて下る。この道が、うんざりするほど大量の巨石が転がっていて、進むのが大変だった。岩を迂回したり、滑り降りたり。500mに満たない下り道なのにコースタイムが30分以上あるのは、こういうことだったのか。

この頃になると、右膝の違和感よりも筋肉痛の方が強くなってきた。無意識に膝をかばっているらしく、長時間歩くと右足だけ変な筋肉痛が出てくるのだ。痛いことは痛いが、関節痛ではないので気は楽である。そしてこの状態になると、不思議と膝痛が収まってくる。結局、帰宅した後もひどい膝痛は出なかった。よくわからない膝だ。

 きつい下りが終わると、平坦な林道に出た。やれやれと思っていると、友達の1人が気分が悪いと訴えた。軽い高山病のような感じらしい。

友達は東京から特急列車で来て、すぐに車で2000m登ったから、数時間のうちに大きな気圧変化を経験したことになる。気分が悪くなっても不思議ではない。

雨池を見物するのはやめて、林道を通って最短距離で麦草峠に戻ることになった。

休憩を挟みつつ林道を歩き、麦草峠への分岐点で再び登山道に入る。すると、小止みになっていた雨がまたぽつぽつ降り始めた。空が暗くなり、ゴロゴロと雷鳴が響く。うーん、やばい。

山麓の森の中なので落雷の危険は少なそうだったが、大雨が降ってきたら、ドロドロにぬかるんでいる登山道がさらに歩きづらくなる。体調不良の人がずぶ濡れになるのも良くない。

あともう少しなので、さっさとこの森を脱出しようと急ぎ足で歩く。自分が一番歩くのが遅い…。

なんとか、雷雲との競争に勝つことができた。15時頃、無事に麦草峠の駐車場に到着。友達の体調も回復して、よかった。車で山を下り始めるとまもなく、バケツひっくり返し級の大雨が降ってきた。ワイパーを最大速にしても前がよく見えない。時間雨量で50mmは行ったんじゃないだろうか。遠くに落雷が何本も見えた。

とりあえず、近くの温泉「音無の湯」へ。屋根付きの露天風呂で、大雨の中の山を眺めながら、ぼんやり湯に浸かっていた。

夕方、茅野駅前のレンタカー屋に車を戻した。雨はまだ激しく降っている。

駅前の居酒屋で軽く打ち上げして、20時過ぎに解散。あずさ号を見送ったあと、自分は数少ない松本行き普通列車を待つ。案の定、大雨でダイヤが乱れていた。

松本22:30分発の大阪行き夜行バスに間に合えばいいので、多少遅れてもいいやと思っていたが、一向に電車が来ない。だんだん心配になってきた。結局、定刻から30分遅れで普通電車が到着。発車してからも、先の電車が詰まって信号待ちしたりして、やきもきした。松本に着いたのが22:10頃。ほぼギリギリだった。

行きのバスはアルピコ交通、帰りは阪急バス。阪急バスの方がボロかった。20年前に乗った東京行き夜行バスとあまり変わらない気がした。

バスの中ではあまり眠れなかった。朝7時、大阪梅田に到着した。