財布

クルマの6か月点検と冬タイヤ交換のため、朝からディーラーに向かう。少し寒いが、雲一つない晴天。ディーラーのテーブルでお茶を飲みながら、青空をぼんやり眺める。

待ち時間に、水木しげるの自伝エッセイ「ねぼけ人生」を読む。ちょうど、青年時代に甲子園口で暮らした話を読んだ。すぐ近くじゃないか。当時は田園風景が広がるのどかな土地で、よく散歩をしながら妄想に耽っていたそうだ。

会計のときに、車検の割引クーポンをもらった。来年6月か。車検を通さずに新車に乗り換えた場合は、5万円ぶんのオプションをくれるらしい。このさいだから乗り換え……ません。

ついでに洗車をしてもらったので、ぴかぴかになった。前回の点検以来だから6か月ぶりの洗車。

駅近くにクルマを置き、電車で神戸へ。街に出ると思いのほか風が強くて寒い。クルマだったので、油断して薄着で来てしまった。寒すぎる。風邪を引きそうだ。

通りかかったGAPで、半額で叩き売られていたコートを買ってしまった。風を防げるようになり、人心地がついた。こういうときに買った服が、後で意外とお気に入りになったりするんだよな……と自分を納得させる。

寒風に吹かれながら、デパートへ。財布を見に行った。今使っている二つ折りから、長財布に代えようかと考え中なのだ。

これまで財布はジーパンの尻ポケットに入る二つ折りで通してきたのだけど、カード類が増えて分厚くなり、ポケットに入れるのに難儀するようになった。結局、今は鞄に入れて持ち歩いている。それなら長財布に変えた方がカードも入れやすくなるし良いのではないか。

しかし、長財布はおっさんくさく感じられて、どうも抵抗がある。いや、実際のところ現時点でおっさんであることは物理的事実なのだが、超えたくない一線を「長財布」に感じるのだ。そういう感覚は、我々の世代だけかもしれないけど。

たぶん、「二つ折り→金のない若者」「長財布→収入の安定した大人」というイメージが基になっていると思う。もうそろそろ、財布だけでも次のステージに進めるべきなのだろうか。

 

洗車した記念に一枚。ぴかぴかのリアウィンドウ。

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