お好み焼き

ついつい、TVを見てしまう。エンドレスで伝えられる災害の映像。中継映像から流れるサイレンの音で、21年前の記憶が一気によみがえってきた。ああ、嫌だ……と思いつつ、TVを見続けてしまう。

こちらは、すっきりと晴れた、平穏無事な土曜日だった。こういう風にぼんやりしているときに、また地面が揺れ出すのだろうな。

花粉症がまだ続いているのでバイクに乗るのはおっくうだったが、バッテリーが上がらない程度には乗らなくてはならない。ただ、天気は良いし、乗り出してしまうと楽しかった。ただ、まだ膝には良くないようだ。1時間も乗れない。

 

先週、東京から来た友達と大阪に行った。ドートンボリ→通天閣という、べたな観光地巡りをやってみた。

通天閣は午前中にもかかわらずエレベーターが長蛇の列で、登るのをあきらめた。外国人観光客に人気のようだ。友達がお好み焼きを食べたいと言うので、スマホで検索していたら、偶然、子供のころに親に連れて行ってもらったお好み焼き屋を見つけた。

なぜその店に行ったのかは、覚えていない。新世界の商店街の外れにある、狭くて煤けた店だった。腰の曲がったお婆さんが巨大な鉄板の上でお好み焼きを焼いた。出来上がったお好み焼きをコテで切って食べると、すごく美味しいと思った記憶がある。

30年ぶりに訪れてみると、店は改装されてピカピカになっていた。屋号と看板だけが同じだった。焼いているのは、お婆さんではなく若い兄ちゃん。三代目ということなので、婆さんが初代だったのだろう。昔は大きな鉄板をカウンター席が囲んでいたのだけど、鉄板が小さくなり、テーブル席ができていた。

スタンダードな豚玉を注文した。熱々の鉄皿で運ばれてきた豚玉は、表面が香ばしくカリッと焼かれて、中はフワフワ。記憶の中の味と同じだった。

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