本を持ち帰る

2年前に手術した右膝の経過観察と筋力測定を行うため、病院に行く必要があったので、実家に帰ってきた。今回もクルマにて、片道400kmのロングツーリング。

せっかくクルマで帰ったので、かねてからの懸案だった本の引き上げをすることにした。実家を倉庫代わりにして、本を置きっぱなしにしておくのは、もうやめる。ただでさえ、実家には父親が数十年かけて乱読した本がおそらく1,000冊以上ある。姉も読書好きだったせいもあって、今も2部屋が本棚で埋まっている。親の歳を考えると、少しでも整理しておいた方が良いだろう。まずは自分の本から。

小学生の頃から活字中毒だった自分は、週に1冊以上のペースで読んでいたが、お金がなかったのでほとんどの本は図書館で借りていた。今残っている一番古い本は、中学生のときになけなしの小遣いで買ったマンガの単行本である。

男子中学生が夢中になって読むマンガほど、大人になってから読み返す価値のない本はないのではないだろうか。広い世界への憧れと、現実からの逃避と、異性への興味と、不甲斐ない自分へのコンプレックスと……思春期の不安定な精神状態の中でこそ、求められ、読まれる本だから。

ぱらぱらと数ページ開いて読んだだけで、うんざりする。しかし、あまりにも強い思い出が染みついているので、処分するのはしのびない。埃にまみれたマンガの山を前にして、腕組みして長考。したのち、とりあえず全部持ち帰ることにした。もう一度読んでから決めても遅くはない。

処分を決めた本も一度自宅に引き上げることにしたので、けっこうな量になった。クルマのトランクスペースに入りきらず、後部座席にも詰め込んだ。 

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……ブログには書いていなかったが、半年前にクルマを普通車に乗り換えた。前の軽自動車だったら、乗らなかっただろう。

帰宅して部屋に本を運び込むと、ちょっとした山になった。数十冊の本を買い取りサービスに送ることに決めたが、まだまだ残っている。

「読まなくなった本は手放して、また読みたくなったら、また買い直す」というスタイルもある。その視点で蔵書を見直すと、古い文庫本などは放出できそうな気がしてきた。ただ、絶版本はどうするか。あと、サイン本……

漂泊の賃貸民である自分にとって、蔵書を維持するのは難しい。常に、本を放出し続ける人生。いつかは、自分の家が欲しいなぁ。