『終わった漫画家』の終わり

ずいぶん久しぶりに、福満しげゆき先生の漫画を読んでいた。

福満先生の漫画をよく読んでいたのって、いつ頃だったっけ?と思い、ブログを検索すると、10年前の記事がヒットした。カフェでニヤニヤしながら、福満先生の『うちの妻ってどうでしょう?』を読んだと書いてある……本当に気持ち悪い。今日、まったく同じことをしてしまった(漫画のタイトルが違うだけ)。まったく進歩が見られない。

 

さて、福満先生の最新作『終わった漫画家』。このタイトルを本屋で見つけたとき、先生の自虐ギャグも行き着くところまで行ったかと、やや残念な気持ちを抱いたのだけど、この作品は意外にも「私小説」漫画ではなかった。福満先生は、冷静に自分自身と切り離した主人公を設定して、「売れなくなった漫画家」の漫画を描こうとしていたのだ。

 

あらすじ……

若い頃の漫画家デビュー作がヒットしてそれなりに成功を収めたものの、以降は鳴かず飛ばず。マイナーな雑誌に細々と連載を続けていたが、気が付くと40歳を過ぎて独身のまま……という主人公が、せめて結婚はしたいと女性狙いでアシスタントを募集。応募してきたのは、漫画家なら金持ちだろうと玉の輿を狙う100円ショップ店員と、プライドだけ一人前な漫画家志望の女子高生だった。

 

下心だけで集まった3人が、本音を隠しながら表面的な会話を交わすところがとても面白い。異常なほどネガティブな主人公と、不毛な青春時代がトラウマになっている美女と、プライドが高すぎて友達が一人もいない女子高生が、自分の(小さい)欲望を密かに抱きつつ、心にもない言葉でお互いを励まして協力しているうちに、いつの間にか1つの目標に向けてまとまっていく。

第2巻からとても面白くなって、3巻が出るのを楽しみにしていたのだけど、残念ながら全3巻で打ち切りになってしまった。この作品には他の作家には描けないであろう独特な面白さを感じていたので、まったく寂しい限り。福満先生ならではの「長すぎるあとがき」にも投げやり感があふれていて、無念だったろうなと思う。

エゴサーチが好きな福満先生なら、このブログを読むかもしれないので、書いておこう……次も、これくらい意欲的な作品を描いてください。楽しみにしております!