閉塞するもの

絶不調で使い物にならなかったMacBook Airが、なぜかこのところ調子が良い。前はスリープすると50%くらいの確率でクラッシュしていたが、それがほとんどなくなった。理由は謎。正直、買い換えは経済的負担がつらかったので、うれしい。

そういえば、今使っているテレビでも同じようなことがあった。もう電気屋から消えたHDD内蔵テレビ「Wooo」。簡単に録画ができて重宝していたのだけど、あるとき、急に録画機能が使えなくなった。いくら試しても、録画を開始するとすぐに停止してしまう。仕方なく、HDDレコーダーを別に購入して使っていた。それから2年ほど経ったある日、リモコンを手探りで操作していたら、間違えて録画ボタンを押してしまった。すると、何事もなかったかのように録画が始まった。以来、普通に録画機能を使えるようになった。

何だろう。機械も寝かせておくと勝手に直るのだろうか。

 

さて、相変わらず漫画を読んでいる。 

TSUTAYAで既刊7冊を借りてきて、休日にカフェに持ち込んで一気に読んだら、がっつりはまった。これは!と思って、全巻買いそろえてしまった。

実はこの作品、第1話だけ読んだことがあった。人気作家が満を持して放つ新連載、ということで読んでみたのだけど、巨大なUFOが浮遊する東京で、サブカル系女子高生がいつもと変わらない日常を送る……という、ふわふわした漫画のように思えて、あまり惹かれなかった。

しかし、読み進めていくと、ただのふわふわ漫画ではないことがわかってくる。もう露骨に、3.11以降の東京・日本の有り様を批判的に描いた作品なのだ。

「侵略者」の巨大UFO「母艦」に対する核攻撃によって東京都心は汚染され、半壊したUFOはコントロールを失って東京上空を漂い続ける。日本政府は「侵略者」の情報を隠蔽、独占し、危険な外敵への防衛力強化を建前にして軍備拡張に突っ走る。

東京の空を覆うUFOは、巨大な鍋蓋のような形をしている。本当にストレートに、今の日本人が感じている閉塞感を表現している。ちょっとストレートすぎるけど、この今の日本の、頭の上を塞がれたような重苦しい空気が、よく表されていると思う。空が見えない感じ。

救いなのは、描かれている女の子たちが元気で健気で、かわいいこと。

まっすぐ成長していく若者たちと、自分なりの正義を信じて生きる大人たちと。そこに描かれている現実は過酷だけど、読んでいて嫌な気持ちになることがない。爽やかな作品だと思う。続きが楽しみだ。

ただ、タイトルだけはなんとかならなかったのか……とても覚えられない!