読書記録

ここ半年くらいに読んだ本(マンガを除く)をまとめてみた。

少ないなぁ......

最近は、じっくり腰を落ち着けて読むというより、昼休みにちょっとずつ読み進むという読書スタイルなので、なかなか読み終わらない。昔は、2日で1冊ペースだったのに。

あと、村上春樹関係が多い。仕方がない、今年は村上イヤーだから。これから何作か再読する予定。英訳版も読んでみたい。

以下、読んだ順で紹介。


・『遠い太鼓』 村上春樹
読んだと思っていたけど未読だった。ギリシャ・イタリアでの生活エッセイ&紀行文。濃厚な異文化に放り込まれた日本人の戸惑いが鮮やかに描かれていて、とても面白かった。イタリアの官僚組織(とくに郵便局)をかなり感情的に糾弾していたのは、かつてこの地を旅行した人間として共感できた。そして笑った。20年前に書かれた本だが、イタリアは今も同じだろうし、これからも変わらないと思う。

・『時間都市』 J.G.バラード
SF短編集。どの作品も印象的で想像力を刺激されるが、表題作が一番面白かった。廃墟となった"時間都市"の描写が素晴らしい。頭の中に鮮烈なビジュアルが浮かぶ。

・『1Q84』 村上春樹
こないだ、日記に書いたので割愛。

・『ストレッチ・メソッド/5つのコツで、もっと伸びる、体が変わる』 石井直方、谷本道哉
本屋で衝動買い。ストレッチで「伸びる」原理を解剖学的にわかりやすく説明してあって、目から鱗だった。体が固い人向けの方法も紹介されているので助かる。

・『ユダヤ警官同盟』 マイケル・シェイボン
第二次大戦後、イスラエルの建国が失敗に終わり、アラスカにユダヤ人居留地が作られた......という仮想歴史世界を舞台にしたハードボイルド小説。アメリカの書評で「ハルキ・ムラカミを彷彿とさせるチャンドラー風ハードボイルド」と評されたらしいが、たしかにそんな雰囲気だった。風変わりな世界に、奇妙な登場人物、喪失感を抱えた主人公。

『世界は村上春樹をどう読むか』 四方田犬彦柴田元幸、他
2006年、世界17カ国で村上作品を翻訳した翻訳者が日本に集まり、シンポジウムが開催された。それぞれの文化の視点から、村上春樹がどう読まれているか、どのような魅力があるのかが語られていて、とても面白かった。日本語や日本文化から遊離しているが故に、異文化の読者にもなじみやすいのか......。また、同じ翻訳者としては、日本語を他の言語に移すときの苦労話に興味をそそられた。中でも、『夜のくもざる』を各国語に翻訳するというワークショップの記録は、翻訳マニアにはたまらない。

・『人間はどこまで耐えられるのか』 F.アッシュクロフト
人は、どこまで暑さ、寒さ、高さ、深さに耐えられるのかを、生理学の立場からやさしく解説した科学本。熱中症、低体温症、高山病、潜水病についても書いてあるので、日常生活の危機管理のためにも役立つと思う。作者はイギリス人なので、人の運動能力に触れた章ではスカッシュが例に出てくる。スカッシュのラリー中は、ほとんど息をしないのに、ラリーが終わると息が荒くなってしまうのはなぜか。はじめて理解できた。

・『サハリン島』 チェーホフ
現在読んでいる本。渋谷のリブロで平積みになっていたので、思わず買ってしまった(『1Q84』関連書籍なのだ)。古くさい活字がびっしりページに並んでいるのを見てるだけで、幸せな気分になる。内容は、どうだろう。今のところ面白く読んでいるが、なにしろ流刑地の紀行文なので、そのうち陰鬱な気分になるかもしれない。


週末からの夏休みは、実家に帰省する予定。じっくり腰を据えて読書をするつもりだが、3日しかないから1冊読めるかどうか。どの本を選ぶかな。