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写真論

NHKの「日曜美術館」、写真家?の杉本博司さんが那智の滝を撮影するというミニドキュメンタリーだった。

使用するのは大判カメラ。木製のフレームに小さなレンズをはめ込み、じゃばらを伸ばして、頭から布をかぶり、ガラス板(何て言う名前か失念)に映った鏡像をチェック、最後に大きなフィルムを差し込んで、ストップウォッチを見ながらレリーズを押し込む。現場の光を見ながら、経験だけで写真を「作る」プロセスは、自分が普段デジカメでやっていることとはまったく違っていて、面白かった。

一度、頭の中で作品のイメージを完成させたあとで、それに向かって写真を作り込んでいく。出来上がった写真が、撮影中に話していたイメージそのものだったのには驚嘆した。これが写真家の「技術」なのだなぁ。

昔、ピンホールカメラで遊んでいたとき、時計で時間を見ながら露光するのが楽しかったのだけど、仕上がりは完全に運任せだった。プロは狙って露出をコントロールできるのがすごい(現像のときに調整するとは言え)。それが仕事だから当たり前かもしれんが。

杉本さんの撮影風景を見ながら、どうやったら、もっと写真(カメラ)を楽しめるのだろうと考えていた。

今のアマチュア写真愛好家の主流は、デジカメでささっと撮ってから、デジタル暗室で「作り込む」というやり方だと思う。でも、最近、このやり方におもしろみを感じなくなってきた。簡単すぎるから。

スナップではなく、じっくり腰を据えて撮影する方が、面白いのかもしれない。