入院記(3)
9/19〜23
シルバーウィークの5連休。当然、病院もお休み。病棟に詰めている看護師も少なく、閑散としていた。5日も休むと患者のリハビリが滞るからだろう、21日の敬老の日は理学療法士の先生が出勤してリハビリが実施された。しかし、それ以外の日は休み。仕方なく自主トレを続けた。リハビリのスケジュールが遅れないか心配になる。
見舞いに来た家族に連れられて、1週間ぶりに病院の外に出た。といっても、病院のエントランスを出て、少しウロウロしただけ。挙上板を取り付けた車いすに座っているとすぐケツが痛くなるので、長時間の外出は無理だった。それでも、久しぶりに太陽の光を浴び、秋風を肌で感じられて嬉しかった。何というか、生きていることを実感した。
病棟から見た夕日。
9/24
リハビリで膝を曲げる練習が始まった。
体の関節というのは、毎日動かしていないと滑らかに動かなくなるらしい。10日近く動かさなかった右膝は、曲げようとするとギシギシきしみ、痛みが走った。でも、何度か曲げ伸ばししているうちに、90度までは曲げることができた。日頃、ジムでストレッチしていた成果が出たのだろうか。
リハビリ室での曲げ伸ばしトレーニングに加えて、病室でも機械を使った曲げ伸ばしが始まった。装置に足を固定し、角度を設定すると、膝がゆっくりと曲げられていく。初めは痛いが、すぐに関節が柔らかくなるので痛みはなくなる。それを1回1時間、1日2回行う。毎日、少しずつ曲げられる角度が増えていった。
9/25
朝、抜糸。少し血が出た。痛痒くて、気持ち悪い。絆創膏を貼って、また防水シートで保護する。
9/29
術後2週目。リハビリの先生の許可を得て、やっと移動時にも膝の装具を外せるようになった。同時に、車いすの挙上板も撤去。邪魔物がなくなり、移動が楽になった。特に挙上板は憎しみすら感じるほど嫌だったので、ものすごい解放感だった。早速、ひとりで売店に行ったり、外に出たりした。
この日は慰問(?)コンサートがあった。元・劇団四季のお姉さんたち。歌ったり、踊ったり、ピアノを弾いたり、トランペットを吹いたり……なかなかのエンターテイナーだった。