屋久島旅行(3日目)
7:00起床。今日は、リバーカヤックツアーだ。天気は相変わらず小雨模様。
8:30、ツアーガイドさんが車で迎えに来た。この日のツアー参加者は4人。それを、ガイドさん2人で案内してくれる。
宮之浦から車で30分ほど走り、安房川の船着き場へ。まず、ここでカヤックのレクチャーを受ける。
昔、西表島で乗ったカヤックは、上に乗っかるだけの「シットオントップ」タイプだったが、今回乗ったカヤックは下半身を艇の中に入れる「シットイン」タイプ。軽くてスピードは出るが、左右方向のローリング的な揺れに弱く、バランスを崩すと艇が逆さまにひっくり返ってしまう。そうなると、乗っている人は水中で逆さ吊りになる。その状態から元に戻るテクニックも存在するが、今回は艇から脱出(沈脱)する方法だけレクチャーを受けた。ただし、練習はなし。もしもひっくり返ったらぶっつけ本番で脱出しなければならない。怖いな…
船着き場近くで、しばらく漕ぐ練習。パドルで水をかくと、軽いカヤックはどうしてもクルクル回ってしまい、悪戦苦闘。どうにか前に進めるようになった後で、ツアーに出発。広い安房川を遡っていく。
100mも進むと人家がなくなり、両岸は自然のままの姿となる。ちょうど満潮だったので、森の木々が水面すれすれに枝を伸ばしていた。
前方の水面に霧が立ち上っていた。川霧だ。ガイドさんの話では、このあたりに水力発電所の排出口があるという。上流の冷たい水が発電所を通過し、冷えたまま河口近くに排出されると、河口の温かい空気が冷たい水に触れて、霧になる。湿度の高いときにしか起こらない現象なので、今日は雨で得をした……と考えよう。
しばらく漕いだ後、砂地に上陸。ガイドさんが釣りを始めた。お昼のおかずを調達するのだそうだ。前日は40cmのヒラメを釣ったとか。しかしこの日は川が濁っていたせいか(上流で大雨が降ったらしい)、まったくアタリなし。自分も竿を振らせてもらった。初めてのルアー釣り。当然、ぼうず。
なおも川を遡上する。
川岸に岩がゴロゴロ積み重なって、ちょっと広めの陸地ができていた。ここにカヤックを上げて、上陸。ガイドさんが手早く火をおこして、お昼の準備を始めた。
ここに来る途中で、ガイドさんがアジを一匹釣り上げていた。釣りたてのそれをさばいて、焚き火で焼いて、皆で少しずつ頂いた。ひとくちずつしか食べられないが、釣れなかったから仕方がない。
このようなものも出てきたり(案の定、後でトイレに行きたくなって困った)。
メインは、屋久島の名水で打ったうどん(名前を失念)。釜揚げ風で頂いた。溶き卵に九州の甘い醤油を入れて、熱々のうどんをからめる。さらに屋久島のさば節、とろろも加えて、なかなか美味だった。
食後、また遡上を再開。しばらくすると、流れの速い瀬に行き当たった。いつもは簡単に越えられるらしいが、今日は増水して難所になっていた。
参加者唯一のカヤック経験者の人は難なく越えていたが、自分は何度挑戦しても越えられなかった。必死に漕いでも、強い水流に押し戻されてしまう。試しに水流に正面から突っ込んでみたら、バランスを崩してひっくり返りそうになった。なんとか踏みとどまって沈を免れた(危ないときはパドルを持ってバンザイするとなぜか安定する)。参加者が1人しか越えられなかったので、今回のツアーはここまでとなった。
「最後、ダイブしますか?」とガイドさんに訊かれた。どうせなので、飛ぶことにした。せっかく水着も着てきたし。
高さは2mくらいか。予想外に深く沈んだ。水中で目を開けると、水面が50cmくらい上にあった。水は清らかで適度に冷たく、気持ちが良かった。
帰りは、もう腕の疲労が限界にきていた。休み休み漕ぎながら、流されるままに、ゆっくりと河口に向かった。次にカヤックをやるときは、事前に筋トレを積んでから行こう……