バイク漫画(2)

バイクに「リターン」してから、またぽつぽつとバイク雑誌を読むようになった。バイク雑誌界も20年前とはずいぶん変わっただろうな……と思っていたが、ほとんど変わっていなかった。読者の年齢層が20歳上がっただけだ。

業界としては憂慮すべき状況だろうけど、まだ自分の年代を対象にして雑誌が作られているというのはありがたいことだ。

こういう状況だと「リターン」向けの雑誌が創刊されるのも自然な流れであって、雑誌『RIDE』もその中のひとつなのだろう。書店で見かけるとつい手が伸びて、つい読みふけってしまう(その場で)。

この雑誌では毎号、過去の名車を1台ピックアップして特集を組んでいる。雑誌は、そのバイクを主人公にした短編マンガで始まる。東本昌平の手によるフルカラーの描き下ろしマンガは、実に爽快で、テンションが上がるのだ。

これ単行本にまとめればよいのに、もったいないよな〜。あれ、もうまとまってる……?

ということで、Amazonで全巻まとめ買いした。

 

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こんな表紙だけど、ほとんどの登場人物はおっさんである。おっさんが峠を攻める、おっさんが旅に出る、おっさんが行きずりの女といい感じになる。おっさんのための、バイクファンタジー。それが心地よく感じる自分に、おっさんだな!と思う。

この歳でバイクに乗っていると立ちはだかる壁、それは「なぜバイクに乗るのか?(危険なのに)」問題。人から問われるし、自分でも自問自答する。答えが見つからない人は、バイクを降りていく。

この連作マンガも、この問いに取り組んでいる。登場するライダーは皆、走りながら自問自答する。なぜ乗るのか? この作品では、ひとりひとりのライダーがその答えを発見し(あるいは、その問いを忘れ)、走り去っていく。

その昔、登山家に「なぜ山に登るのか?」と問うた人がいたけど、おなじことだろうと思う。

この問いを突き詰めていくと「なぜ生きるのか?」に行き着きそうだ。そこまで行ったら、あかんのやろうな。