スノーシュー体験
もう3月。日ごとに太陽が明るくなり、暖かさが増してくる今となって、雪まみれの記事を更新…
軽井沢で友達と待ち合わせて、クルマに乗せてもらう。有料道路の費用節約という目的もあるが、なにより三菱アイの雪上走行能力が心許なかったので、同乗をお願いすることにした(その危惧は当たった)。
冠雪した浅間山の美しさを堪能しつつ、北に向かってドライブを続けていると、周辺の雪が深くなってきた。万座温泉の標高は1800m。万座ハイウェーに入ってしばらくすると、路面が圧雪路になった。路肩には数メートルの雪。
それなりの斜度があり、カーブが連続する山岳路。アイでは厳しかったな。
友達のクルマはFFのスズキ・ソリオだったが、圧雪路を安定して走っていた。ただ、カーブで微妙にケツが流れる感覚があり、個人的には落ち着かなかった。運転していたのが雪道経験の豊富な人だったので不安はなかったものの、ちょっと気持ち悪くなった。
午後3時頃、万座に到着。軽井沢は快晴だったが、こちらは雪が降っていた。
時間があったので、かねてから興味があったスノーシューを試してみることにした。といっても、アレンジはすべて友達にお任せ…。万座プリンスホテルでレンタルのスノーシューを借り、着替えて、万座スキー場のリフトに乗って山の上へ。
どんな装備が必要なのかよくわからなかったのだが、靴だけは保温材入りのトレッキングシューズを用意しておいた。
アウトレット品が安く手に入った。モンベル独自のソールは非常にグリップが良く、氷の上でもあまり滑らなかった。2時間ほど雪の上を歩いて、靴の中が冷たく感じることはなかったので、保温材も効いていたと思う。
ウェアは、手持ちの山装束を組み合わせて着てみた。暖かいインナーを着て、ダウンジャケット、ネックウォーマー、毛糸の帽子。濡れ防止のために、山用ズボンの上にレインウェアを重ねてみた(結果的には気温が低すぎて、ちっとも濡れなかった)。
レンタルのスノーシューは、靴を固定する部分とベース部分が別々に可動する、本格的なものだった。
茶色のストラップでかかとを固定し、黒いストラップで甲を締め付ける。慣れると簡単。
山の上は、白一色の世界だった。そのうち雪も降ってきて、左を見ても右を見ても、上を見ても下を見ても、白、白、白。
安全なスキー場だからいいけど、これが深い山の中だったら、かなり不安な気持ちになるだろうな。
スノーシューは幅広い面で体重を支えてくれる道具だが、降ったばかりの新雪だとこれだけ沈んでしまう。それなりに大変だ。
もっとも、何も付けなければ膝上まで雪に埋まるだろう。
スキー場の急斜面は歩きづらかったので、林の中に入り込んで遊んでみた。
楽しい。これが晴れていて、景色の良い山の中なら、もっと楽しいんだろうな。午後4時を過ぎ、スキー場の営業時間が終わってしまったので、引き上げた。
気温マイナス15℃。友達に、まつげが凍っていると言われたが、まったく気付かなかった。写真を撮ってもらえばよかった。
夜は刺激の強い温泉と、友達との宴会を楽しんだ。そして翌朝。
一晩でこれだけ積もり、クルマが埋まってしまった。氷点下のパウダースノーは、まるで発泡スチロールで作った舞台用の雪のように、さらさらしていた。ときおり日が差してくると、あたり一面が銀色に輝いて、目を開けていられないくらい眩しかった。
冬の山もいいなぁ。遭難しなければ……