独鈷山

11月12日、日曜日。友達と一緒に、上田市の独鈷山に登ってきた。

独鈷山の標高は1266m。広大な田んぼが広がる塩田平を囲む里山の一つだが、かつては密教の修行に使われたという伝説が残るだけあって、険しい山だ。

このあたりの里山は、ごつごつと「とがった」形をしたものが多いのだけど、独鈷山はその極め付けだろう。麓から見上げると、壁のようにそそり立って見える。今回のコースは水平距離にして2km弱しかないが、標高差は655mもあった。この前登った蓼科山よりもハードだ。

朝、車で友達を拾って登山口に向かったものの、いきなり迷う。道が狭くてわかりづらい。ちょっと戻って、川沿いの道へ。車一台分の幅しかない急坂を数分登ると、突き当たりに金網のゲートがあり、その脇に3〜4台分の駐車スペースがあった。

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ゲートの先にも広い駐車スペースがあったが、悪路を登るので四輪駆動じゃないと厳しいかもしれない。

こちらの登山口は山の北側に当たるので、この季節、ずっと日陰の中を登ることになる。寒い。苔むす沢に沿って登り始める。最初はゆるやかだが、だんだん坂がきつくなってくる。この山は、平らな場所がない……山頂まで、ずっと登り坂。

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沢沿いの道が終わると、つづら折れの猛烈な坂道が始まる。笑えるほどの急傾斜だ。しかも落ち葉が積もっているので、滑りやすい。

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やっとのことで稜線が見えてきた。

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崖っぷちに張り出した巨石を回り込むと、一畳ほどの広さの岩棚があった。足を踏み外したら終わり、スリル満点の展望台。塩田平の田畑の幾何学模様、紅葉した山々、目を上げれば雪を頂いた北アルプス。東に目をやると、浅間山八ヶ岳まで見渡せる、素晴らしい眺めだった。下の写真は、4枚合成したパノラマ写真。

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ただ、この展望台は危険なので、オススメしない。道のすぐ先に、もっと安全な展望ポイントがある。 

山頂は登山者で賑わっていた。東側の平井寺から登ってきた人もいた。あちらの方が楽なのかもしれない。 

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山頂から南側を見おろすと、いつも松本に行くときに通る国道254号線が真下に見えた。オモチャのように小さな車が日の光を反射して、キラキラ光っている。面白い眺めだ。今度あそこを通るときは、こちらを見上げてみよう。 f:id:charlie22:20171112112941j:plain

山頂から少し下った林の中で昼食タイム。コンロで湯を沸かしてインスタント豚汁、それとコンビニオニギリ。写真だと日差しで暖かそうに見えるが、気温4℃なので結構寒い。

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帰りは沢山池に下る予定だったが、友達と話しながら歩いていたら分岐を見落として、見当違いの方向に下りてしまった。すぐ気付いたものの、急坂を10分くらい登り返す羽目になった。

それにしても、大量の落ち葉。靴が埋まる。

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沢山池に向かうルートも、落ち葉で完全に埋まっていた。立ち木に巻かれたピンクテープを頼りに道を探すような状況。以前は稜線に並ぶ巨石群の上にルートがあったようだが、そちらは立入禁止になっていた。

岩を巻くように急斜面をトラバースする道がつけられているのだけど、人が通った形跡が全然ないのが不安だった。手持ちのガイドブックには、この新しい道の情報がないので、先の状況がわからない。友達はだいぶ疲れているようだし、安全を考えて、今回は登ってきたのと同じルートで下ることにした。

登りよりも下りの方が滑りやすく、何度かすっ転びそうになった。一気に600mも下ると、さすがに膝が笑った。ここは本当に、修行の山だな。

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